このレビューはネタバレを含みます▼
バレエの基本の姿勢だけでなく、欠点のある若いダンサーの脚まで、正確に丁寧に描こうとするバレエ漫画作者を、私は他に知りません。資料を揃えたり、取材をしたりと、サポートする編集やスタッフの方の真摯な様子も見えるような、抑制された美しい作品です。
ただ、私の個人的な倫理観や常識と相容れない部分があり、☆は4つとしました。
例えば第一部で、日本では違法である同種組織移植(生体移植)を、韓国で関係者のコネで早く受ける事を、とても軽く表している点。
例えば第二部で、感冒症状があるのに国際線飛行機に搭乗したり、コンクールに参加したりする事を、肯定的に評価している点。
主人公に寄り添いすぎた身内贔屓の引き倒し、という印象が残りました。