このレビューはネタバレを含みます▼
体つきが細く亡くなった母似の善次。父も亡くなってしまい、父方の祖父に育てられていてその祖父の野球選手になって欲しかった夢を叶えられなくて悩む善次は、野球の才能があって活躍していた花岡と同じクラスの前後の席で・・・。
小さい頃から祖父の気持ちに応えたかった気持ちとは裏腹に、自分の才能も体格も父には似ずに、そんな自分にトラウマを抱えていた善次は野球を見ない様にしていたのに、花岡には気になる程度で挨拶を交わしていた。
花岡にとっては善次は自分をちゃんと見てくれていたと思い、いつの間にか善次に好意を抱く様になって意識し始まるが、善次もいつの間にか花岡を意識し始めるがそれは何な のかも気がつかずに花岡と接していき、花岡を知る度にこの気持ちは何なのか?と思いながらも花岡を気にかける善次。
花岡が最初は素っ気なかったのに、善次に好意を抱く様になって意識して好きになっていく過程を繊細に描いていて、描写が丁寧で上手いなと思いました。
善次が花岡に対しての気持ちを恋だと気がつき、花岡に好きになってごめんなと言っていたのに泣けてしまいました。
善次がトラウマと向き合う度に泣きそうな顔をしているのが、凄く切なかったしでも祖父に育ててもらって祖父の後ろ姿を見て寂しそうな背中をひしひしと感じ、自分がもっと大きくて野球をやっても平気な身体だったらと悩む姿も切なくて、善次を救ってくれたのも花岡だったのでちょっと安心しました。
久しぶりに泣けるお話を読んで、又その続きとか読んでみたいと思いました。
購入して本当に良かったです。
素敵な作品をありがとうございました。