DANCING COLORS
」のレビュー

DANCING COLORS

フルカワタスク

二人の引力

ネタバレ
2022年2月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●表紙の雰囲気に惹かれて手に取ってみました。中も表紙のイメージどおりだったなと思います。淡くて優しい感じ、柔らかく心許なくて不安な感じ、ゆるゆるとした曖昧さ、背中を合わせた二人の熱。
●踊りに対する姿勢が正反対だった二人。父親の遺したダンスホールでトップダンサーを務める真面目な航。マネージャーと不倫中で踊りは本気じゃなくてそれでも人気のなぎさ。だけどなぜか、惹かれるのはお互いの踊りだったりする。足りないものを埋めるように、お互いを求めます。
●いくつか回収のないエピソードがあり、そこはやはり気になります。航の薬は精神安定剤のようなもの?その副作用で体や精神にガタがきてるの?殴ってしまった相手は誰?大丈夫なの…?あと、父親の自死の背景と、実はどんな人だったんだろう?というところ…。どれも航を形作る大事なところなのでいろいろ想像してしまいますが、もっとハッキリと描かれていてもよかったかなと思います。←この部分はなぎさも怒ってます。何も話さない航に対して、ですが…
●ダンスホールを守るため、いつも孤独だった航。なぎさの踊りが輝きを増すにつれ、任せられるかもしれないという安堵と、自分の場所を奪われるかもしれないという恐怖を同時に抱く。でも、ぶつかって最後に二人の間に残ったのは「一緒に踊りたい」という気持ちでした。
●対照的なのに全身全霊で丸ごとお互いの存在を求めて愛し合ってるような二人。最後は二人とも良い表情してました。よかったです。
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