このレビューはネタバレを含みます▼
「不死身」と言われるほど豹変し、人殺しとなった男、杉元。心の片隅で罪悪感を抱いていましたが、不殺の誓いを持つアシリパさんに出会ったことで、戦争に行く前の清い自分が思い起こされました。やがて無意識のうちに、彼女に救いを求めていきます。
その一方で、対照的に描かれているのが尾形。彼は清い心を持ち続けた義弟にアシリパさんを重ねていきます。彼女からまだ金塊の隠し場所について聞き出せていないのに殺そうとしたり、自ら進んで「お前の父親を殺した」と白状します。尾形は杉元とは違い、「どんな清い人間も道理を与えれば人を殺す」と証明することで救われたいんですね。
人間は本来清い生きものだと信じたい男と、
人間は本来残酷な生きものだと信じたい男。
正反対のようで二人とも同じ地獄を生きています。その先になにがあるのか―――
狂ってる漫画と言われますが、その漫画楽しむ私たちが一番狂っているのかも笑