みのりの森
」のレビュー

みのりの森

まりぱか

あなたの解釈で物語を体験してみて下さい

2022年2月17日
読後、まず思ったのは、「作者さんはなぜこのテーマを選んだのだろう」でした。
近しい人を亡くすのは、例え病死であっても、大なり小なり負の心が残ります。
無念、悔恨、寂寥、そして自責。
ましてや自死であったならば、何万回"なぜ"を繰り返すことか。
それでも残された人にはまた日常がめぐってくるし、生きていく義務がある。
心の落としどころを見つけないといけない。
誰も悪くない。 ただ、少し歯車が狂っただけ。
狂った原因は分からないし、狂わせずに済むことができたのかも分からない。
ちょっとした異変がその日のうちに隅々まで伝播するような田舎で、慎太郎は何を思ったのか。
作品としては面白いと思います。
ミステリー要素があり、絵も構成も上手いのでページをめくりたくなる魅力があります。
ただ、なぜこの物語だったのか。
単純に楽しむだけで終わらせてはいけないような気がしました。
自分の人生に還元したい。そう思います。
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