兎の森
」のレビュー

兎の森

苑生

天才すぎるんだが…

ネタバレ
2022年2月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 絵はもちろん美しいのですが、なんといってもストーリー展開が神がかってる。基本シリアスだと思いますが、ちょくちょく入るクスッと笑えるギャグがめちゃくちゃツボで、センスを感じます。
お互い一途な物語も好きですが、性欲旺盛な男子高校生が好きな子を想って我慢できるはずもなく別で発散してしまう。snsですぐ出会えちゃうこの現代だし仕方ないですね。そりゃそうだわって思います。あと、シュンの環への欲望(変/態的な欲求)が実に生々しくて良かったですw
相手への想い、様々な周りの環境からの揺れ動く若者達の心。そういう意味でリアルだし、巧みに表現されてる。
そして、1.2巻を読み終え、表紙の意味を考えました。1巻はシュンに促され、環が勇気を振り絞って二人で足を踏み入れた思い出の壊れたフェンス。入ってみたらなんでも無かったと自分の固定概念が誤っていたと気付く。その回想シーン後に二人は期間限定の交際を始め進展をみせる。
2巻は初デートのブランコでちょっと悲しげな、どことなく幼い子供の表情の環にそっと手を差し伸べるシュン。2巻後半では、環の幼い頃の劣悪な環境や、母親からの性/的虐/待(行為は未遂?)ともとれる事を耳にして、今までずっと環を見ていたと思っていたのに守ってあげられなかった悔しさを感じる。そしてこれからは環に寄り添い、そのトラウマを払拭させたいと決意をするシュン。そこからまた二人は更に進展する。ただの妄想なので、また別の意味があるのかもしれませんが…3巻が楽しみです。
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