このレビューはネタバレを含みます▼
レビューは初めて行います。
人間に兄をとられた嫉妬から、ある日を境に自宅へ戻らない兄への深い悲しみ、寂しさ、虚しさ、それらを全て憎悪へと変化させなんとか生きてきた弟(イズミ)の前に、恐らく兄の仇であろう王子(レオ)が登場する所までとても流れがよく進みます。
レオ受だから購入した所もあるのですが、兄の剥製の前でいたす所は、弟(イズミ)の心情描写はあるものの、王子(レオ)の心情描写はありません。
が、王子自身も昇華し損ねていた想いの何かがあるのだろうなとわかる表現でした。めちゃくちゃ良かったです。
王子にどんどん惹かれてしまう弟と、無知故に友人を守れなかった王子と、時の止まった剥製の兄と三者を思うと切ない気持ちになりますが弟(イズミ)の勢いの良さにより最後はとても綺麗に終わってくれます。
内容的にはかなり重くなりそうなのに、王子の感情が言語化されないため、そこまで毒々しい印象はありません。しかし王子は優しい人物なのだとわかります。
重要ではない部分が適度に省かれておりテンポがよくとても読みやすかったです。
個人的には弟(イズミ)の性格も、王子(レオ)の性格も性癖ドンピシャで大変萌えました!