人生観が変わるような衝撃





2022年2月26日
本屋大賞受賞作というものを初めて読みました。あらすじも全く読まないまま読み始めましたが、驚くほどの読みやすさで引き込まれます。時にユーモアを、時に毒を織り交ぜて淡々と物語りながら、心の核に鮮やかな衝撃を残していく。説教臭くないのに、説得力がある。まるで今までの知覚や認識を変える魔法にかけられたようでした。強く印象に残ったのは「善意が人を傷つけることがある」ということと「世間の印象と当事者が知っている真実は違う場合がある」ということ。私たちは「普通」や「常識」というフィルターを通して事件や他人を見てしまい、相手に良かれと思って接することがあるけれど、それは本当に優しさや愛として届いているのか?本作を読み終えて日常に戻ってきても、ふとした瞬間に思い出して考えるようになりました。作品自体を「面白い」と思うことがあっても、価値観に影響を与える作品というのはなかなかありません。読み終えた後に世界が違って見えるようになる物語です。

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