このレビューはネタバレを含みます▼
男を見る目がない酒屋の息子が恋したのはホームレスというちょっと異色なBL。これがなんだか読みながら色々考えさせられました。愛とか恋とかよりもその人自身の本質を見詰めて、心の奥底を癒し合っていくストーリー。
正児が本当にいい子なんだよね。親切で気配りできて人を色眼鏡で見ない。
正児ははまさんに、どうしてホームレスをしてるのかとか、ホームレスから抜け出せないのかとか、そういうことを全然聞かない。特別外見を気にしてるふうでもなく、ただそのままを受け止めている。
周りから避けられてる人がいたらどうにかしてやらないとと思ったりするんじゃないかと思うけど、正児にはそういう傲慢さが全くない。そういうフラットさがすごく良かった。
最後にわかる。正児は人を見る目があった。それがものすごく嬉しかった。
幸せになることに控えめで消極的だった二人が、手を取り合い、覚束ないながらも一緒に前に進もうとしてることが何よりも喜ばしいと思った。
決して生き方が上手いとは言えない心優しい二人が、出会えて寄り添えて本当に良かった!と思います。
全てが丸く収まるすっきりとしたラストで、読み終わった後は心がポカポカしました。