シジュウカラ
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シジュウカラ

坂井恵理

40カラ?

ネタバレ
2022年3月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 一言ではなかなか言えない物語。売れない漫画家だった主人公の忍は一回り上の夫と中学生の息子と共に旦那の実家に戻ってきて、そこから40になり別の人生がまた回り始める…って感じかな。彼女みたいに子供はまだ大きくはないけど私も40を過ぎてなんとなく主人公の気持ちがわかる。40って本当に人生の折り返しで30代みたいにまだ何かに焦ったりやり直しが出来る年代じゃなくて、自分や周り(家族)の終わりが来ることを考え始める時期。忍の場合は引っ越しと漫画がたまたま売れたこと、訳アリな千秋に出会ったことが自分の結婚人生を省みるタイミングだったんだわな。特に夫の地元には昔夫が浮気してた女がいて色々思うとこが出てきたみたいな。浮気されたら謝られたって心に闇がずーっと居付くのに、謝りもしないで開き直られたらそりゃ見限りたくもなるわ。この夫がなぁ本当にナチュラルに忍を見下してて存在や価値を認めてあげないくせに、浮気したくせに、家事もなにもしないくせに、アレだけはやりたがるんだよww 弱い男なんだよね。だから一回りも下の忍を結婚相手に選んだんじゃないかと思うくらい。そんなだから漫画で少し食えるようになった忍は夫を捨てるんだけどね。そして辛い過去がある千秋とは年齢の壁を取っ払って人として一緒にいてほしいとは思う。やり直しと思うと40カラはきついとか思うかもしれないけど、やってみなけりゃわからんことも多い。離婚もそう。忍は今だからこそ離婚できたもんね。あまり歳にこだわらず誰かの目を気にせずに生きられたら幸せになれるのかもしれない。つか夫が本当にダメな男で引くわ。
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