僕らのミクロな終末
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僕らのミクロな終末

丸木戸マキ

ロードムービー風

2022年3月5日
上巻222P、下巻230P、巨大な隕石衝突で地球が滅亡するまでの10日間のお話です。大学時代の失恋で単位を落として留年し、ブラック企業に勤めて生きる意味を失っていた真澄は、地球が滅亡すると聞き最後の時間を思い出の図書館で過ごそうと決める。その図書館で元カレで憎むべき相手、律と再会し…というお話。一緒に旅することになった高校生の優馬やめぐるがいい塩梅にお笑い要員で、暗くなりがちなお話を明るくしてくれています。旅の途中でお互いの家庭環境や気持ちを小出しにしていく構成も絶妙です。最後は優馬パワーでどうにかなったのかな?と思わせる希望のある終わり方も美しくて良かった。ただ攻めの律が本当にクズだし本来なら犯罪者なので、後半でいきなりいい人みたくなって許されても、またすぐに浮気するんじゃないかなという不安は拭いきれなかったです。性格が歪んだ理由も深くなかったので。優馬のスピンオフも匂わせていたので続きで律にしっかり反省させる場面も書いて欲しい。エッチは上巻の回想と下巻ラストのみ。上手く隠した描写で修正不要。
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