このレビューはネタバレを含みます▼
メリバが苦手なみなさーん!こちら私の解釈によればハピエンです。ただ最後の美しい風景が「立つ鳥跡を濁さず」を想起するような終わり方なだけ。跡を濁さないために鴻さんはもう一度元の世界に旅立ち、そして必ず司郎のもとへ帰ってくる。だって鴻という鳥は渡鳥だもの…旅立っても帰ってきてくれるもん…。
タイムスリップしたお菊は全く記憶がなくて、2巻の後半で記憶が明かされます。その記憶の中の人物、司郎の祖父の"後ろめたさ"が自分のせいであると気がつき、鴻さんが好きになってしまった"さみしんぼ"の司郎を救うために過去へ戻ります。きっと鴻さんは菊次郎にちゃんとお別れを言って、菊次郎はちゃんと家族を愛せて、司郎はもうさみしんぼじゃない未来で再開することになると思う。お互い不意に垣間見せるような寂しさを埋めあっていたので、司郎が寂しくなくなったら鴻さんもう必要なくてメリバ?という解釈もできるかもだけど、最後に司郎が今度は俺の願いを叶える番、と言っているから、きっと鴻さんが1人で死んでしまうことがないように、過去に自分の祖父と関係があった鴻さんを取り戻すために、もう一度鴻さんを呼ぶのだろう。
切ないというよりは、2人の間に時間の隔たりも理由のわからない寂しさもない恋の始まりを告げるような終わりだと思いました。(小冊子まだ読んでないけど!)
本開いた瞬間の風景がジブリ映画のようで、コマの送り方が丁寧で1ページ1ページ大切に読みました。セリフも男子高校生の適当さとちょっとだけ古めかしい言葉の応酬が淡々としてて馴染む。女性の水着の写真だけでもんのすごい真っ赤な顔で「破廉恥!!!」と叫んでいた鴻さん、あなたの濡場の方がよっぽど破廉恥よ…。