悪役令嬢ですが、王太子(攻略対象)の溺愛がとまりません【特典SS付き】
」のレビュー

悪役令嬢ですが、王太子(攻略対象)の溺愛がとまりません【特典SS付き】

鬼頭香月/ウエハラ蜂

途中でリタイア…

ネタバレ
2022年3月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 以前、同じ作者の『転生したけど王子は諦めようと思う』という似た設定の作品を読んでとても良かった為、値段に拘らず期待して購入したのですが、100pめあたりまで読んで辟易したので、読むのやめました。
設定やら世界観やらご都合主義がデフォルト過ぎて逆に萎えます。ファンタジー×乙女ゲー×転生×王子との恋、というTL作品にしては凝り過ぎな世界観で胸焼けするというか、更に『王子から逃げようとする聖女』という奇を衒った粗筋で、一味違う悪役令嬢転生モノを狙ったのでしょうけれどなんだか欲張って風呂敷を広げ過ぎて上手く使いきれていない世界観のような気がします。
王道でももっとシンプルな世界で設定もスッキリ纏められた方が入り込みやすかったです。
それと何より、幼い頃から強制奉仕されていた境遇に同情心は湧くのですが、ヒロインが聖職者という割にあまりに甘い考えで苛々させられました。
前述の過去作では王子の婚約者で公爵令嬢という裏打ちされた気位の高いプライドもあったせいで、中々素直になれずにいたのも納得でしたが、今作は聖職者でしょう…?もとより聖女は純真無垢で清貧のイメージがあり、王子にだけ我儘で傍若無人に振る舞うだとかキスを仕掛けたり子を宿したいと考えたり、素であまりに生々しくただの恋する乙女のように描かれており聖女要素をあまり感じられず、作者との聖女イメージに対する乖離があり過ぎました。ヒロインは別に聖女設定で無くても良かった気がします。
それと侍女には託宣の内容を話せるのに、本当に力になってくれる王子や司教には話さず、勝手にそうなると決めつけて自己完結しようとしているのも、なんだかなあ〜…と。水晶に力を込めることが出来るようになったり、相談すれば解決策も見出せると既に理解しているはずなのに、何故頭が回らない…?
結局自分は今世でも報われない悲劇のヒロインぶったヒロインであるのが一番読むのに堪えないくだりでした。
このように、中盤までヒロインのキャラクター設定に馴染めず好きになれなかったので、最後まで読むのは苦だと判断して途中リタイア。
いつか嗜好が変わって気が向いたら、また読み返してみようかとは思いますが、まあ希望は無いですね…
『転生したけど王子は〜』の方をこれからも大事に読み返そうと思います。
いいねしたユーザ5人
レビューをシェアしよう!