このレビューはネタバレを含みます▼
初期からずーっと追い続けてきて、何度涙したか分かりません。数え切れないほどの名言に、いつも励まされてきました。
最初の頃、いつもはギャグ+短編のほろりなストーリーの中で、時々やってくる長編シリアスがすごく好きで、ギャグ回が続くと早くまた長編見たいな〜という気持ちだったのですが、最後完結に向けてひたすらシリアスな状況が続き、歌舞伎町の街が壊れて人々が戦っている状態が長く続いたとき、今までの平和な頃が懐かしく、むしろまた初期のギャグ回が見たいと思うような愛着が自分の中で育っていたことに気づかされました。
銀さんたちの過去についてはずっと気になっていましたが、いざ銀さんが松陽先生のことで色々あって、万事屋を離れて旅にでてしまうととても寂しく、今までほど銀さんの気持ちに寄り添えていない、理解しきれていないような距離を感じました。
でも、本当に空知先生がすごいなと思ったのは、そんな状況で新八が「僕らなら…僕ならどうするだろうか。大切な人が世界の敵になってしまったら…それでも世界を護るために戦うだろうか、それでも世界を敵に回して信じるだろうか、わからない、けどきっと…それでも会いたいと思うだろう」と言ったところです。
銀さんの過去は、過去編としてまとめられたお話の中でちょっと知っているだけなので松陽先生を連れて旅する銀さんの気持ちは急には理解できないけれど、新八が銀さんにとっての松陽先生は、自分の立場でいう銀さんなのだと伝えてくれたところで腑に落ちました。新八と同じように、私にとってもそれは銀さんだからです。
それからもう一つ、長い連載の中で高杉のこともよく分からないなと思っていたのですが、最終巻まで読んでやっと、自分の目線ではたまに出てくる敵なのか本心はどこにあるのか分からないキャラけど、銀さんや高杉本人の目線では過去から続く一つの人生の延長に、本編の世界が続いていたのだと実感しました。
高杉が失った左目が最後に見たものはとても辛いものだったけど、右目が最後に見たものは銀さんの笑みだった、というところは泣きながら読みました。
ぶっきらぼうな二人だけど、生き様がかっこいい。最後までついてきて本当によかったです。