連地獄~白薔薇編~
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連地獄~白薔薇編~

伊藤レイヂ

官能あり昼ドラ風歴史もの(かなりバレます

ネタバレ
2022年3月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 表紙は昔のジュネ作家が描く官能耽美漫画っぽいですが違ってた。ちなみに作者は現在同人や商業で活動されてる漫画家さんでした。画力のある方ですがこれは同人投稿らしく、時期により絵柄は安定してないです。
●中身は骨太。官能あり昼ドラ風歴史漫画、残虐表現注意。続編あり。p●xivに小ネタ漫画、続編、893ヒットマン時代の漫画ありました。以下あらすじと併せてご参考まで。
●主人公は近親結婚で産まれた麗司。彼の少年→青年→中年の激動の半生を、明治末期から終戦後まで描いてます。
●大正や昭和のレトロファッション、風俗、在日フランス人家族の洋館など見ていて楽しい。この漫画の魅力の一つでした。
●少年期は麗司君が慕う父親との愛憎や父子関係、父との恋人関係あり。青年期は父親を亡くし家が傾き、妹のひなちゃんを親友津田子爵に預けて、借金返済のためにカフェ男娼に身を落として生き抜く話。以後は戦争のどさくさで闇稼業に染まる女装893ヒットマン編。少年期はチャーミング系乙女でしたが青年以後は不憫暮らしから性格も荒っぽくなってしまいます麗司くん。
●父母、麗司共に精神病み気味で、罪の意識から幻影に苦しめられ続けます。父親の隆司さんは男前の能楽師。性格はちょっとオラオラ風、かつ可愛いノンケ男性ですかねえ(耽美系少年喰いエロ男爵タイプではないです笑)麗司くんと隆司さんのユーモラスなかけあいは面白いです。隆司さんは根が優しくて弱い人だったのかなあ。彼の末路は逃げたと感じましたね。
●キーパーソンは親友の津田子爵と妹ひなちゃん。津田子爵はオイシイ役割で、ひなちゃんは癒し担当。可愛いのでシスコン麗司はメロメロです。家族のひなちゃんは孤独な麗司の救いでしたね。
●隆司さんにも親友世良(フランス人、隆司さんとベーゼ経験あり)さんがいますが、彼は親友隆司さんが落ちるのを救えなかった。麗司、津田子爵との関係と対照的。じいや、ジゴロなど他のキャラも魅力的でした。
●後半は若干駆け足の謎展開がありましたが力作。ドロドロしてますが、ちょいちょいボケツッコミが入るので重すぎない。昼ドラいける人ならいけるんではないでしょうか。
●蛇足ですが、麗司くんのモデルって、ベニスに死すのビョルン・アンドルセンなのかなって思ってました。青年期、中年期の麗司くんも、お母さん似の美貌が衰えず大変お美しいです。
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