終末のワルキューレ
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終末のワルキューレ

アジチカ/梅村真也/フクイタクミ

なんというか、凄い

ネタバレ
2022年3月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 最初は神と人間の戦いということで、今流行りのなろう的なニンゲンが無双して神に勝つ話かと思えばそうではなく。また神が当然ながら簡単に蹂躙する中に人間のドラマを織り交ぜているのか?と思いきやそうでもなく、それぞれの話で深く考えさせられる言葉や立場があってとても面白い。
とくにジャック・ザ・リッパーの話は、人間を滅ぼそうとする側の神が人間を愛し慈しむ「善」、人類の存亡を掛けて戦うはずの人間側が憎しみや残虐性と嗜虐心に満ちた「悪」という矛盾とも言える立場で最後まで変わらず、しかも神はその立場を持って戦いには負けても心は勝つというなんとも言えない話で、勧善懲悪ではない。だがそこがまた深く考える内容だったりする。
間違いなく買ってよかった。
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