第七王子に生まれたけど、何すりゃいいの?
」のレビュー

第七王子に生まれたけど、何すりゃいいの?

おだやか/籠の中のうさぎ/krage

著者の文章力が低い(4巻読了)

2022年3月31日
絵は最初ぎこちなさがあったものの(特に獣人の骨格は下書きかと思う程)、話が進むにつれて全体的に整って綺麗になっていく。キャラ設定は、冒頭の「強面の父親」「継承権の遠い自分の息子を王太子にしようと躍起になる母親」が実は「顔が怖いだけで子供たち全員溺愛してるパパ」「ツンデレが夫に伝わらず病んでいたママ」のように、3巻めまでは登場人物が全員「悪そうに見えて実はいい人でした」という展開。4巻めは一般人として学園に入り、ちょっとやんちゃなキャラが出てきたかな?というところ。ストーリーはそんな感じなのであってなきが如しで、「TUEEEE系主人公愛され」が全て。嫌な人がいないので起伏に欠けると思う方もいるかもしれないが、ちゃんと要所要所に「TUEEEEポイント」「溺愛され主人公ポイント」が作ってあるので、ゆるっと読めるのも含めて魅力。難点をあげるなら(わざわざあげなくてもいいんだけど)、著者の語彙の甘さと日本語力の低さ。ら抜き言葉や微妙な敬語。親は「母上、父上」なのに兄は「兄様」。実兄を「兄様」と呼ぶのに腹心の侍女を称するときに「お姉ちゃん(のようなもの)」といった不統一。この兄様呼びは幼児だから敢えて身近な兄を親しみを込めて呼ぶ策略かなと思っていたが成長しても変わらなかったので、書き手が不自然に思っていないらしい。ただ兄様問題は「●●兄上」という呼称に著者が違和感が持ったのかなとも思う。また例として伯父を表現するモノローグで「母上の兄様」と表現したりするように「中身は現代日本の大人」の設定と「ファンタジー世界の子供」が書き手(原作)の中でめちゃくちゃになっているのが気になるところ。主人公は前者なのだからせめて「母上の兄」程度にすべき。大人の鑑賞を想定していないのか、書き手自身の日本語能力が甘いのかは不明だが、そこは編集者に精査してほしいところでもあった。
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