初恋にあえぐ
」のレビュー

初恋にあえぐ

研井カスタム

激辛い初恋。

ネタバレ
2022年4月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 苦しむ、苦悩するではなく「あえぐ」の言葉に惹き付けられ手に取りました。
ポイントにあえぐ私めとは異なり、とても切ないお話。初恋の人が忘れられず、今だに心の中に大切な宝物のように抱え、その人の面影を求め男漁りをする主人公の未幸。己の心を断裁出来ないでいる苦しみに心痛み、その気持ちを来世まで持って行くかと悲しくなりました。ある夜、絡まれているところを助けてくれたのは、なんと初恋の人。恐るべし赤い糸。が、この時点では二人とも互いの正体を知りません。二度目の再会で未幸は気付きますが、本名を隠します。こんな形で会いたくなかったが、本心。それでも会って行くうちに相手にも正体が判明して、二方共に初恋相手だとわかり、なーんだ、大曲りの寄り道に読者としては苦笑するも、奇妙な運命に拍手。紆余曲折は人生の常、苦しみ悩んだ量だけ幸せになった時の喜びも大きくなろうというもの。未幸の一生、これ以上不幸に拍車がかからなくて良かったァ~と、ホッとして閉じました。今後は二人ともに幸せ行為で、大いに「喘いで」下さいませ。
いいねしたユーザ6人
レビューをシェアしよう!