空と海のあいだ
」のレビュー

空と海のあいだ

松尾しより

胸が苦しくても一気読み

ネタバレ
2022年4月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ ニ日連続で一気読みしました。感動作でした。読み進めるごとに胸がギュッと苦しくなり、幾度となく涙しました。ただ、悲し過ぎる結末にもかかわらず、不思議なことに最後はとても温かくすっきりとした気持ちに。
私の祖母とほぼ同い年の主人公。私の祖母も戦時中はとても悲惨な目に遭ったと繰り返し話していました。この時代を生きた人全員、それぞれが気が狂う程大変な目に遭ったことでしょう。
終戦から80年近く経とうとしている中、また新たな戦争が始まってしまいました。命の尊さ、平和の有り難みについて考え直したい、そんなタイミングでこの作品に出会い、心動かされました。

「思想が偏っている」との指摘が散見されますが、私は特にそのようには思いませんでした。読了した上での印象は、思想云々という以前に、平和に対する願い、当たり前に個人の幸せを願いたい、といったすごくシンプルなメッセージが込められているように思えました。
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