このレビューはネタバレを含みます▼
ジュダとダートの王道ラブストーリーですけど、私の推しはウィルとフリオ。
アルファではないけれども頑張ったウィルが、何故手袋を離さないかが判明した時には、その気持ちの強さと信念にため息。そして、フリオ。オメガゆえに翻弄される悲劇の美魔男。βとΩは「番」にはなれないけれど、この二人には幸せになってもらいたい。なのに、気弱なフリオが告白したのにウィルは断って！いつか現れるかもしれない運命を気に病むなんてウィルらしくない。まったくウィルときたら、達観しているようで心の屈折率が半端ない。この作品中で、一番複雑な殿方ではないかしら？
ウィルは何でもそつなくこなすのに、β。運命の番に密かに憧れてるのに、β。βらしく平凡であったなら、すっぱりと諦めも付くのに、宙ぶらりんの人生に心痛みます。さらに、フリオの立ち位置も、今は微妙。人は置かれた環境に育てられる部分もあり、男娼だった頃は美しくなければいけないから、とても魅力的だったのに今は輝きを失って、おどおどしてます。己の過去に引け目を感じている。だけど、ダートだって同じことをしてたのにあの堂々さ。負けるな、フリオ！
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