埋葬計画
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埋葬計画

本穣藍菜/しちみ

愛情か憎しみか2人の終着愛

ネタバレ
2022年4月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 色のない、そして光ではこのまま幸せが続くと思ってました。
周囲からしたら一緒にいないほうが多分幸せになるだろうと思われるはず。
親の愛情を知らない葛城は宇佐美に愛情を注ぎ、鳥籠に閉じ込めるようにして宇佐美を守り、自分しか見えないようにすることでしか愛することができなかったのかなと思います。
宇佐美は葛城が自分の為に、禁忌さえも犯してしまう、異常なまでの執着が葛城を壊してしまうかもしれない恐さ、宇佐美自身も鬱病になるまで追い込まれ再び逃げ出すけど結局は葛城に掴まりました。
市瀬は宇佐美の心がこれ以上壊れないように逃げるのに協力してくれ、新たな地で穏やかに恋愛も始まろうとしてただけに、そっとしておいてあげて欲しいとも思えました。
愛してるけど憎しみ、それでも手放す事は絶対ない、どちらも救われないけど2人にしか出来ない愛し方なのかなと思います。
宇佐美はもう逃げられないから諦めて覚悟を決めたみたいで、葛城は2人の愛の巣をお墓と例え、2人だけの世界があれば何もいらないと思ってて、幸せなのかと言われればはっきりした答えはないのだろうと思います。
バッドエンドではないけどハッピーエンドとも思えない複雑な心境になりました。
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