MADK
」のレビュー

MADK

硯遼

多少グロ耐性をお持ちの方なら大丈夫のはず

ネタバレ
2022年4月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ グロいシーンが刺身のツマや大葉のごとくそっと・なおかつ存在して当然かのように添えられているので、多少のグロ耐性…出血・身体損壊などに耐えられる方には自信を持ってお勧めできます(何目線?)
絵が衝撃的なまでに上手いので、グロ慣れしてる私も若干ウッときます。画面がグロいというか発想がかなり刺激的です…
冒頭の絡みシーンを耐えられたなら多分その先にさりげなく置かれているグロにも耐えられると思います。
とにかく「主人公の犬」が出てくるところまで読んでもらえれば大丈夫です。
ただですね、グロシーンだけで敬遠するのは勿体無いくらいの傑作です。いや、苦手ならそれはもう全然仕方ないんですけど、グロシーンだけ私が手で隠しますから先を読んでほしい…とさえ思います。
私はよく人間でない者の心について考えますが、MADKの悪魔は「悪魔と会ったことあるんです?」と作者様にお尋ねしたいくらいのディテールとバランス感覚を兼ね備えています。
そう思うポイントは三つです。
・デザインの豊富さ
・悪魔の世界の「ルール」「パワーバランス」が明示されている
・それに則った行動が世界観に深みを与える
作者様は人外キャラのデザインの本を書かれているだけあって造形が何しろかっこいい&美しい&引き出しが多い!端役の悪魔も濃ゆくて最高です。堕天娼さんのこと好きにならない人、1万人に1人いるかいないかじゃないですかね
人間離れした見た目に、人間の世界とは違う理。人間の世界と似たような物や場所があったとしてもそこは異界なのだと感じさせてくれるので没入感があります。
悪魔はただ残酷なだけではない、でも優しいだけではないのです

そして、そんな悪魔たちと渡り合うようになる主人公マコト。
人間の理屈から見ると「なんてひどいことするんだー!!」と思う時もあるけど、悪魔として見れば非常に魅力的なんですよね。彼は人並みに傷つくし涙も流す、喜びもする、年齢相応な心も持っています。そこがいい……だからどんなにひどいことをしても嫌いになれないんです。
その上位互換、大侯爵J。彼の行動原理はマコト目線でだんだんと紐解かれつつあります。
最終巻に向けてどう展開していくのか楽しみで仕方ないです。
とにかく絵が爆裂に上手いんですよ。絵だけでもお金払う価値があります。
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