このレビューはネタバレを含みます▼
「のみ&しば」からこの作家さんを知り、購入しました。「のみ&しば」と比べるとだいぶ画風が違うので、随分前の作品なんだなと思ったら、7年前のものでした。でも、1巻から2巻の間も3年位空いてるようで、2巻では今の画風になっている感じでした。「のみ&しば」の画風がドストライクだったので、嬉しい限りです□□
内容はかなり深い。主人公の唯司が同級生の大和がゲイであることに気づき、その大和が友人の西郷に思いを寄せていることについて、大和について考えていくお話。ノンケの唯司は、ゲイの心理はわからないながらも、自分の恋愛感と重ねながら、ゲイも普通の人間で恋愛の価値観もノンケと変わらないということを知り、大和の理解者になりたいと思い友人として支えていく。そんな唯司に大和は信頼感を抱き、ありのままの自分をさらけだしていく。
唯司だけでなく、友人の関や西郷も大和がゲイであることには知らないが、友人として大和を支えていく。ゲイであることをカミングアウトできず、世間に引け目を感じていた大和も、周囲の理解に少しずつ自分を受け入れ成長していく。BLをテーマに、高校生の成長や葛藤が描かれていて、凄く深く刺さりました。
BLってよくファンタジーっていうし、私達読者もそれを見たくて読んでいるのですが、実際はこれが現実かなって思います。ジェンダーフリーの世のなだけど、やっぱり偏見も多くて、自分がゲイであることに悩んでいる人は多い。だからこそBLはファンタジーであってそういう風に描かれていると思いますが、本当にこの作品はリアルで、読みながら考えさせられました。2巻で大和がゲイであることを土井というクラスメイトがみんなにばらすのですが、土井やそれを知った周囲の反応が本音だろうなって思うと、土井は悪い奴だけど、世の中にはそう思う人の方が多いのが現実だなって思いました。
でも、そんな土井のお陰?で大和は新たに自分を見直すことができ、姉に自分がゲイであることを告げることができ、大きく前進できて良かったと思いました。
今後は大和と唯司の関係がどうなるか、後輩の日比野がどう絡んでくるかが凄く楽しみですです✨…が、1巻と2巻の間が3年あったから、次も3年後?かしら…でも2巻が2018年に出てるからもう3年経ってるけど、まだ出てないよね…作家さんは3巻完結と言ってるから出版されるだろうけど、いつになるのかな…続編を心待ちにしてます。