このレビューはネタバレを含みます▼
漫画一冊読んだだけなのに、千夜一夜物語のような長編童話や全100巻はある大作漫画を読んだかの充足感で満ち、高揚する気分です。初読み作家さんです。出版社セールで見つけました。こんなすてきな作品にもっと早くなぜ巡り合えなかったのか、そう考えると悔しくてなりません。とても手が込んでいて丁寧に描き込みがされた作画、よく作り込んでいるストーリー、ほんっとによかったです。誰もが狡猾で本心と自身を繕ったうわべで生きていて、うたさんのように逃れられない足枷もあります。ただ一瞬だけだとしも、星を狩り、魔法のようにこんぺいとうに加工して甘い思い出だけで生きていきたい、それは事実でしょう。ただの空想や夢で終わってしまうこともあれば、あまりに狡猾さが過ぎてまりのように手にしたと思った矢先に叶わぬ泡へと砕け散ることもあります。だからうたさんとミャオ君がお伽噺のようなこんぺいとうの愛を手に入れられて心の底から嬉しかったです。きっかけはキラキラミャオ君かもしれないけど、おんぼろ6畳間にいる冴えないミャオ君だったとしても、本当の自分、愛に気付かせてくれたミャオ君をうたさんは好きになってくれたはず。お伽噺のエンディングとはそういうものですから。