獣王陛下と砂かぶりの花嫁
」のレビュー

獣王陛下と砂かぶりの花嫁

小石川あお

紅藍も可愛いけれど、陛下が断トツに可愛い

ネタバレ
2022年4月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 神獣の末裔である雪豹の獣王殿下と砂かぶりと呼ばれていた子ぎつね。奴隷商人に殺されそうになったところを助けてくれた陛下は子ぎつねに《紅藍》と名付け、手厚く大事に囲い込む。


殿下は紅藍を運命の番だと言い、何でも与えると言っても毛色の違う仲間の中で肩身の狭い思いをしていた紅藍は自分なんか大事にされる価値などないと思っていて、殿下の気持ちがうまく伝わらないのがもどかしく、落ち込む殿下が本当に可愛い。

王様に愛される平民という図式のストーリーだと平民が周囲から妬まれたり、騙されたり、虐げられたりといった作品が多いけれど、この作品は優しく温かい人たちに支えられ、嫌な気分になることが少なくて凄く良い話だった。

殿下が紅藍を溺愛する理由も少しずつ明かされ、物語に没入しやすい配分も良かった。


身分違いの恋愛を描く作品は辛く悲しいものが多いからと、今までこの作品を読まなかったことを大いに後悔した。出版社のSALEが無かったら購入しなかっただろうから、今回のキャンペーンに感謝しかない。
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