このレビューはネタバレを含みます▼
常世と現世があり、人ならざるものが存在する御伽噺を思わせる仄暗い世界。
文善先生の描くファンタジーはいつも静かな孤独が漂っていて、それを包み込む優しい光が現れ救ってくれるそういう印象。
この作品では常世で生きるツクヨミの寂しさが胸を締め付けます。
そして天野、彼はツクヨミの忘れていく記憶を繋ぐ事で孤独から救うのかなと思った。
常世がある限り繋ぎ続ける、人間でありながらもう現世では生きられない2人の永遠のような時間がやっぱり寂しい。
それでも2人だけが感じる幸せは確かなんだと切ない気持ちで読み終わる。
文善先生の絵の力にも引き込まれます。
鴆では鮮やかな色彩を作品全体から感じましたが、こちらはまさに極夜の暗が美しい。
ツクヨミを慕う小鬼達の可愛さ、その優し〜い表情だけで涙出ますもん。
孤独を救うのは決して天野だけじゃないと温かい気持ちになりました。細かな所まで注目して読みたくなります。大好きです。
そして鴆の番外編!!
ツァイホンとフェイのその後ですか、なんて愛しい!2人の可愛いイチャイチャが読めて最高でした!
是非こちらは鴆本篇から読んで欲しいですね〜。