逃避行から、救済へ

ネタバレ

2022年4月28日

このレビューはネタバレを含みます▼ お互いの存在を認識していただけの相手、ミドリとケイは、ビルから飛びそうになっていたミドリをケイが助けた事をきっかけに、「一緒に逃げる」ことに。お互い逃げている何かには触れず、逃避行した熱海で穏やかな時間を一緒に過ごします。ゲイのミドリと、ケイはすぐに身体の関係も持ちます。好きになれば、相手を知りたくなる。でも知れば、逃避行は終わる。ミドリは逡巡するのですが、カミングアウトするきっかけがあって…。31歳リーマンのミドリと、20歳になったばかりのケイ。ケイと一緒にいる楽園の時間は限られていると、ケイに惹かれるミドリの気持ちは切ないです。二人の幸せな時間の後ろに流れる不穏空気、ドキドキしながら読みました。まとまってて、良い話だったんですが…。二人の抱えてるものが、胸糞でした。もちろん、話の核ではあるんです。でも、ミドリが受けた不躾な悪為、ケイが傷つく事すら分からないまま、悪い大人に囲まれて育ったこと。風緒先生の作品は好きで何冊か読んでますが、読んだ中では一番ドキドキしました。

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さゆさん

(女性/50代) 総レビュー数：93件
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(女性/50代) 総レビュー数：11件

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