煙たい話
」のレビュー

煙たい話

林史也

優しさを受け止められないやるせなさ

2022年4月30日
「人と人が一緒に生きること、その形に正解はあるのか、言葉は必要なのか?」(作者さんの作品宣伝Twitterより引用)
この言葉の通り、2話は武田先生が、3話は有田さんが疑問を呈します。
間違いなく「好き」な相手と住んでいるけれど、その「好き」は恋愛感情なのか、それとも別物なのか。その判断は難しい。
龍さんの「祝われていいと思う」という言葉は優しさだけれど、斜に構えた受け取り方かつ武田先生と有田さんの関係性によっては「祝われることが一般的には不自然」だとも取れる。
たった2人の主人公とその周囲の人々の日々のお話なのに、どうしてこんなにも考えさせられる内容の数が多く、心に残るんだろう。
「煙たい話」。読んで損しない、それどころか人生について考える参考になる作品です。
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