このうちとまれ【単行本版】
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このうちとまれ【単行本版】

はるこ/美波はるこ

帰る家は自分で決める

2022年5月1日
はるこ節健在ながらいつもと違う感じがします。テーマがいつもより全面に出ているような。家族、家庭、結婚、大きくは生き方。一戸建ての家を通して世間の目を感じて生きる不自由さと暖かい家がある暮らしのありがたさ。由宇子が考えるイロイロは私だったらどうだろう、と考えたりしました。小高がちょいちょい泣くのがいじらしいやら、ちょっと笑えるやら。身勝手に人を振り回す弟、祐希が腹立つけどゲイであることや小高との関係の中で彼には彼の考えがあることがうかがえる。ちょっと母親との関係が消化不良かな。作者の多くを語りすぎないのにわかる!って伝わる感じが好きで母親が言ってることもおおよそわかるんですが、もっと何かあるんかと思いながら読んでいたので。ズボラな由宇子が自分の事のようで恥ずかしく、几帳面すぎる小高にムリやわーと思いながら読みすすめ最後は可愛く思えてしまう。ちょっと変わった縁をうまく転がすところはお見事でした。
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