グルメ列車殺人事件
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グルメ列車殺人事件

山村美紗

Dear Miss Catherine

ネタバレ
2022年5月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 今回初めてこの推理小説の文庫本を、それもコミックシーモアで購入しました。表題作で1作目の「グルメ列車殺人事件」ではキャサリンが恋人の浜口一郎と新幹線でのグルメ旅行を楽しんでいる最中に隣室での密室殺人が発生するのですが、ドアロックに「氷」を使った密室のトリックが素晴らしかったです。それにしましても殺人事件の被害者とは言え、「草場和夫」と言う男、とんでもない男ですね。奥様や子供や病身の義父がいるにもかかわらず、浮気ばかりして「殺人事件」の原因を作りましたから。2作目の「アメリカ人の遺言」の新聞社名を使ったトリックがとても見事でしたし、殺人犯の「毎坂新一」の巧妙そうで間の抜けたアリバイ工作も見物でした。山村美紗氏は若い頃に株の売買で大儲けしましたが、3作目の「ディーラー殺人事件」にはその当時の知識と経験が最大限に活用されています。山村美紗氏がよく使っていました転送電話のトリックによって二転三転する容疑者の中から「石田麻世」と言う真犯人が判明したのもとても素晴らしかったです。4作目の「キャピタルゲイン殺人事件」にも、山村美紗氏が株の売買で大儲けした頃の知識と経験が最大限に活用されています。被害者の夏大介が残しました「カ」と言うダイイングメッセージによって容疑者が二転三転し、最終的にカメラマンの「沢イサオ」と言う真犯人が見つかったと言うあらすじがとても素晴らしかったです。
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