三十三間堂の矢殺人事件
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三十三間堂の矢殺人事件

山村美紗

この推理小説が読みたかった!

ネタバレ
2022年5月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 今回初めてこの推理小説の文庫本を、それもコミックシーモアで購入しました。高階良子先生の「ピアノソナタ殺人事件」と言う「推理ものの少女漫画」の単行本に「修学旅行殺人事件」と言う短編推理漫画が収録されていまして、この漫画に「三十三間堂」が登場しています。僕はこのシーンを見た時にこの表題作で1作目の「三十三間堂の矢殺人事件」と言う推理小説の存在を思い出しました。京都府警の狩矢警部の相棒の橋口部長刑事が主人公になっています。それにしましても、殺人犯でプロゴルファーの「谷陽一」、許せない男ですね。自らの立身出世のために「吉川千恵子」と言う女性を金づるにして彼女を横領へ追いやって殺しましたから。そして目撃者を殺そうとしてまんまと狩谷警部や橋口部長刑事にアリバイ工作を見破られましたが、「悪事千里を走る」とはこの男のために作られたような諺ですね。2作目の「偽装の棺」に登場しています「大隅教授」と言う悪徳医師や(殺人犯ではありませんが)3作目の「危険すぎた浮気」に登場しています「杉村良」と言う作家にしてもそうですね。4作目の「髪の長い女」に登場している「水原由紀子」と言う女性、殺人犯とは言え本当に気の毒です。逆に、「大木麻美」と浮気をして彼女を殺人へ追いやりました「桑田和彦」と言う男に対して無性に腹が立ちました。5作目の「ハートの指輪」に登場しています殺人事件の被害者の「宮井健次」と言う男にも無性に腹が立ちました。「友紀子」と言う女性の結婚を妨害しようとして彼女の婚約者の「林陽一」を殺人へと追い込んで彼女の命を絶ってしまいましたから。6作目の「聡明な殺意」に登場しています殺人犯の「田中未知子」も気の毒です。夫が浮気したりその相手を妊娠させたりしていなければ「殺人犯」にならなくて済んだ筈ですから。7作目の「危険なスペアー」に登場しています、双子の息子たちを東大へ不正入学させました「水尾杉子」もまさに「悪事千里を走る」の見本ですね。彼女たちの「久野原洋一殺害」のアリバイ工作に利用されました「吉田麻由美」の精神的なショックも並大抵のものではなかったでしょう。
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