安達と井部 【短編】
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安達と井部 【短編】

でん蔵

冒頭、顔が描かれていないことの妙

ネタバレ
2022年5月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●本文37P。これは…考えさせられますね、高校時代の安達と井部について。後半3分の2くらいが10年後(今)のお話で、安達もばばーんと顔を出すのですが、高校時代の彼の顔は描かれていません。その意味を、すごく考えてしまうのです。
●もしかしたら、井部は安達のこと全然見てなかったのかな…とか。最初から叶うことないと壁を作って。安達の方もずっと井部を好きで、一途で、井部が見ようと思えば見えたかもしれないのに…
●逆に安達はどうだったのかなぁ…なんで井部に何も伝えなかったんだろう。井部が安達への想いを綺麗に隠し通してしまったからだろうか。安達は当時の井部のことをとてもよく見ていたという描写があるけど、そんな安達でも気付けないほどに?安達も臆病だったのかな…。あるいは安達は恋愛面だけ鈍い奴なのかも(ありうる)。
●いやもう、どんどん深読みできます。卒業後の10年間もいろいろ想像できるし…。そんな二人が勢いに任せて関係をガラリと変えてしまう一夜。良かったです!(しかしまだ何かズレてる気がする二人…)
●終わり方だけがあまりにも唐突すぎて、せめてあと1〜2ページ、あとひと言ふた言、ほしかったです!!(次があるつもりでめくった…それくらい次頁に続きそうな最終ページ。)
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