このレビューはネタバレを含みます▼
「オペラ座の怪人」と「あしながおじさん」のお話に優しさと清らかさが加味された素敵なお話でした。
呪詛に囚われ不平不満を抱いていた攻めが穢れない無垢な受けとの交流から穏やかになっていく様子や受けの世界を徐々に広げようと手を差し出す攻めの想いに何度心が浄化されたことか。どうか2人に今以上の試練が起こりませんようにと祈りながら読みましたが、嫌な人も切ない展開もなかったので読後感がとても良かったです。
半身に火傷の痕が残る御曹司と盲目の孤児のお話ですが、両者の苦悩も救いもきちんと描かれていたので満足度高め。何より相手になんら見返りを望まない愛と慈しみが読者をこれほどまで優しい気持ちにさせるなんて。時代背景も作品に合っていて◎。ここに出てくる学生3人組のお話は「人でなしの恋」とのこと、こちらも読んでみようと思います。