テレプシコーラ/舞姫 第2部
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テレプシコーラ/舞姫 第2部

山岸凉子

いざ、ローザンヌ国際バレエコンクールへ!

ネタバレ
2022年5月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ 第2部も傑作!個人的にはこちらの第2部の方がより好みかもしれません。

全5巻、六花ちゃん16歳へと成長。なんとあの幼かった六花ちゃんがローザンヌ・コンクールへ!会場でローラ・チャンという中国系アメリカ人の妖艶な美女と出会いますが、どうもローラは空美ちゃんなのではないか?という匂わせるところが興味をそそられました。ハッキリと空美ちゃん本人だと確定せずに、あえての演出は想像を掻き立てられてワクワク。(空美ちゃん整形疑惑。伯母美智子先生と艶子母様はその後どうなったのかも気になります)ローザンヌ・コンクールの様子は以前TVで観たことがあり、その時にコンテンポラリーダンスを初めて知りました。「あのコンテンポラリーの振り付けや動きが得意なのか六花ちゃんは」と思いながら読みました。作中で「スワニルダのヴァリエーション」や「キトリのヴァリエーション」等々出てくるので、YouTubeで検索し視聴しながら作品を楽しみました。ローザンヌで金賞を受賞した時の熊川哲也さんの踊りも画面に出てきたので、思わず見入ってしまいました(笑)。(驚くほど高い跳躍が超人的でブラボーでした!)

六花ちゃんが風邪で体調不良のために万全な踊りができない時にローラがスッと横に現れ「ワンス モア ミュージック プリーズ」と言って六花ちゃんの踊りを再現してくれた時は友情を感じ感動しました。
諸々の結果、希望するバレエ学校へ留学することができて胸を撫で下ろしました。世界はコリオグラファー(振付家)を渇望しているとありましたが、六花ちゃんの才能と時代の要望が見事マッチしたのですね。良い夢を見させて頂きました。

本作品を描くために山岸先生自らローザンヌまで取材に行かれたとのこと、緻密な取材によるオーディションの様子はとてもわかり易く臨場感がありました。
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