孤独な女王と黒い狼
」のレビュー

孤独な女王と黒い狼

春日部こみと/篁ふみ

壮大なお話

ネタバレ
2022年6月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「騎士の恋」からの「腹黒従者〜」からの本作購入です。「騎士の恋」のサブキャラだった女王は、豪快で男勝りな性格だったので、こんなに一途で恋に情熱的な女性だったのかと驚きました。そしてイラストが良いです!表紙の静かな佇まいも素敵ですが、綺麗な月の夜にキスをしているシーンがお気に入りです。背の小さいヒロインの為に、ヒーローが屈み込んだ感じがドキドキします。ヒーローは、まさか街角で喧嘩をしている勇ましい少女が、女王であるなんて思いもしません。故郷を追われた事情を打ち明け、愛を交わした女性が「女王として」自分を助けに来てくれたのです。圧倒的な身分の差…。でも彼女の助けになりたくて、彼女の敵の懐に入り込みます。この敵(彼女の従兄弟)が、ホントに何を考えているのか、何を仕出かすのか分からず怖かったです。真相を語られても、何一つ共感できる所も同情できる所もありません。この人に唯一共感したのがヒーローでした。非道な所業を嫌悪しつつも、綺麗事では女王を守れないと覚悟を決めます。10年以上かけ、やっと結婚に至るわけですが、この2人の苦悩や奮闘を知るにつけ、何の障害もない筈の恋に、モタモタしているローガンの不甲斐なさに改めてイライラするのです。
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