真綿の檻【マイクロ】
」のレビュー

真綿の檻【マイクロ】

尾崎衣良

昭和生まれの兄弟姉妹のいる人に

ネタバレ
2022年6月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 特に思い当たる話だと思う。今なら時代錯誤であったと振り返ることが出来るけれど、主人公の母親には狭い視野でそんな余裕もなく、ただただ主人公である娘に当たり散らして鬱憤晴らしをしていた。この娘、言いたいことが言えるだけの学歴と職を手につけ、やっと家族に一矢報いた場面は、本当に読めてよかった。母親の勘違いを潔く正していったところも、凝り固まった悪の考え方を娘が違うと言い切ることが出来たことで、母親自身の考えを改めるきっかけとなっただろうし、救われたのだと思われた。この話は私らくらいの年齢の兄弟姉妹がいる人の、男性も女性にもどちらも当てはまる感性が詰め込まれていて、臭いものに蓋をしてきた、今は懐かしきいい事悪い事を思い出す話だったと思う。
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