性格クズでなにが悪い
」のレビュー

性格クズでなにが悪い

志々藤からり

予想外に最後泣いた。湊はクズじゃないよー

ネタバレ
2022年6月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 毎日無料で読み始め、当初は面白いとは思わなかったのに、読み続けている内になぜか面白く思えてきて、無料分を読み終える頃にちょうど出た最終巻まで、ほぼ一気に購入。人気者でリア充人間だけど、湊以外は要らない執着強い都築。本当は面倒くさい一面もあって、湊関係はなりふり構わない傾向。一方の湊は、自己肯定感が乏しく、人を傷つけないよう考えすぎて、まともな人間関係を築く面倒さを避けてボッチを選択していて、それを小心者で卑屈なクズと自称。都築に告白された当初も、同じだけ返せないと考えすぎて好意も中々受け止められない。都築も、卒なく人間関係をこなしてるけど、その実本音は出さない所は、表現方法が違うだけである意味湊と似てるし(笑顔で穏やかに紳士的に対応するか、関係は最小限にとどめて避けたり逃げたりするか)、湊関係で揉めると湊優先で人間関係を切っていこうとする所は、湊の取る手段より極端で病んでる。都築から湊への愛が重すぎる様に見えるけれど、お互い相手に対して誠実でありたいと思い、お互いにとって手放せない存在になっている2人。大学生編では、湊にも都築にもライバルが現れますが、3巻で涙腺が緩みかけ、続く最後の4巻では泣きました。4巻前半の都築の行為は許されないDV案件だと思いますが、責めを受け、本人も苦しんで反省し、湊は許し、最後の最後はいつもと逆で都築の方がボロボロになっていたのでヨシです。都築が親友と殴り合いをして、思いの丈を吐き出した場面では涙が出ました。そして、その後の湊の涙の告白でまた泣きました。年月を経る中で、都築がいたり、逃げずに人と関わったり、友達ができたりしてボッチのクズではない筈なのに、どうして湊はそうあり続ける事に拘るのか。その理由が泣ける。思わず、1巻をまた読み返してしまいました。あの時の都築の言葉をどんだけ大事にしてたのーと、4巻のその場面を読むと、未だに涙が滲みます。詰まらないかもと思っていたお話でしたが、人との関わりなど色々考えさせられ、2人の変化の軌跡も辿れ、とてもよかったです。
いいねしたユーザ9人
レビューをシェアしよう!