このレビューはネタバレを含みます▼
テンパリスト以降、ほぼ読んできたと思うのですが、なぜか単純に「おもしろいな」と思えない(話のつくりがうまいな、とは思うのに)、なので格別ファンではなかった者が読んでも、これは非常におもしろいシリーズです。まず東村アキコのやや古臭くもある絵柄が、この昭和感を逆手に取ったキャラクターにばっちり合っています。肉感的な線が、マリアのような女性を描くときにとても活きる。さらにストーリーも大変に丁寧なつくりです。どこか昭和サスペンス調で、それが浮いていない。7巻で終わっちゃうのかなと思っていたら、続いてくれて嬉しいです。小林少年ならぬ一号こと苺ちゃんとの関係が、どうかするとドロドロになりかねないおはなしの風通しをよくしてくれています。