このレビューはネタバレを含みます▼
まさに「真綿の檻」でした。
それぞれの視点で、誰の目線かによって各登場人物の見方が変わるのがよかったです。
似たような境遇なこともあって、主人公の気持ちが痛いほどよくわかったし、主人公がやり返したシーンにはスカッとさせられました。
旦那さんも広告で想像したよりも10倍くらい素敵な人。こんな人と結婚出来たら幸せなんだろうなぁ……って思えます。
しかし、母親が心を改めるだけで、他の家族たちのその後が描かれていないことにはモヤモヤしました。
すべての元凶である父親の視点は一切なく、弟は普通に犯罪者なのに、主人公が言い返したあとは弟嫁共々フェードアウト。
あの家族会議を経て、娘(姉)のその後の姿を見ても、父親も弟も何も感じないのか。まあ、あのクズっぷりでは改心に期待は出来ないでしょうが。
母親以外のその後が気になりますので、是非とも他の人物視点での後日談を書いていただきたいです。
あと、私は「子どもは母親が無条件に好き」という言葉には共感出来ませんでした。