ひとりよがりのバニラ【電子限定おまけ付き】
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ひとりよがりのバニラ【電子限定おまけ付き】

冬房承

SMの世界が広がる……是非スピンが欲しい!

ネタバレ
2022年6月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ ひとりよがりのバニラ……
凄く作品の芯を捉えたタイトルで好きです。
BがLすると言う意味では、ひとりよがりもそうだし、どっちもどっち感が否めないww
拗らせ具合が非常に面倒な二人で、お似合いです。
ある意味、鈴原先生がいいアクセントになっており、涼しげな風が吹いたような雰囲気さえあるかと。
バニラは挿入なしの性行為かなと解釈したのですが、本作のバニラ具合はそりゃもう濃厚の域だと思われます。
魅惑的ですし、エロスの神が降臨されています。

BL的には上記の通りなんですが、本作は何と言っても、SMを追求してくれている作品だなぁ…と思いました。
作画としてもですが、心情的にも結構深く描いてくれています。
当事者二人だけではこう広がりのある世界観は難しかったように思います。
それこそ、ひとりよがりな二人で終わってしまったのではないでしょうか。
バニラ(行為)まで魅せるには、鈴原先生の仰る、SMのSはサービスという言葉は言い得て妙、相手が望む痛みを望むだけ与える。そこに元来のサディストの居場所はない。…からの、あの仕打ちというかお仕置きが効いてるように思いました。
後半の二人のL振りが非常に良かったです。
バニラは越えたわけですが、バニラの方がエチいってどゆ事ww

そして、何より幾世。
童貞処女であるが故、興味が振り切って足を踏み入れてしまうんだよなぁ…と改めて思いました。
ある程度の経験のある人は、加減が理解でき、グレーラインを選べるんでしょうけど…白い人は一気に黒へ傾く危うさがあるんですよね。逆も然りですけれど。
きっかけがあったにせよ、なぜ唐突にSMが始まったのか等、謎というか不思議に思われるかもですが、私はそのように解釈しました。
とにかく、二人が一線を超えるだけの前段階の感情が元々少なからずあったと脳内で補正してから読まれると、スムーズに世界に入り込めるかと思います。
何せ文学的な語りが沢山あり、苦手とされる方はいるように思いますが、がんばって欲しいw

私はSMの世界観の見せ方が好み過ぎて、そんな思いも霞んでしまいました。
あとがきで鈴原先生のことが、チラッと書かれてましたが!
是非、生粋の年下サドとのSMの世界をスピンで見せてもらえませんでしょうか。
もうそりゃ、どエロいのをw
超、期待したいです!!
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