今夜はテイクアウトにて
」のレビュー

今夜はテイクアウトにて

ミナヅキアキラ

作者さんの“色”が好き

ネタバレ
2022年6月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●近作を何作か拝読して好きになった作者さん、旧作を少しずつ購入しています。こちらは短編3本とそれぞれの描き下ろしが収録されていて、奥付によると2008〜09年の作品。絵柄は近作とかなり違いますが、作品の雰囲気というのか空気感というのか、読んで受け取るものはやっぱり好きだなぁと感じました。
●表題作:2話計48P+描き下ろし8P。コメディ寄りかな?岩切の景への一目惚れ&プロポーズからスタートです。1話からえぇ?もう?!という急展開ですが、仕事ぶりやそれへの理解から心が近付いていくのは好き。2話では景がかなり岩切に翻弄されてて、“仕事モード”に徹する岩切に寂しさを感じてしまう…だいぶ好きになっちゃってます。かわいい。
●2本目:2話計63P+描き下ろし5P。雪男(雪女の男版?)の季凛は雪山で温もりを求めて男を誘っては熱と命を奪っていた。出会ったのは薬師の真ノ介。全く誘いに乗ってこないくせに季凛の冷たい身体を心配する真ノ介に徐々に心惹かれて…
●あーこれめちゃくちゃ好きです!妖が愛を受けて人になる。でも不安を抱くと…。二人の気持ちの変化がとても繊細。真ノ介は硬派だけど心根は温かく、季凛は健気でいじらしい。パキッと黒の効いた画面も素敵です。描き下ろしの真ノ介の想いがまた良いです。
●3本目:1話30P+描き下ろし7P。脱サラ美大生の牧村が研修のため天才彫刻家の藤森の家に居候。無邪気(?)な藤森に牧村は惹かれてしまうのに、藤森はあくまで研修生として牧村に接する。じれったい…。でも研修期間が終わり、離れて初めて変化が訪れるのです。えっちは描き下ろしで。藤森かわいいな!
●おすすめしたい短編集です。作者さんの近作がお好きなかたにも是非お読みいただきたいです!
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!