シャングリラの鳥Ⅲ【分冊版】
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シャングリラの鳥Ⅲ【分冊版】

座裏屋蘭丸

唯一の

ネタバレ
2022年6月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 座裏屋先生のお話は余すことなく拝読しており、1.2を争う私的最高作品です。
ほのかに漂うアングラな独特な世界観を持ったこの作品は他の作品とは一線を画した唯一性があると思っています。その世界観の中で生きるアポロとフィーの気持ちが徐々に近づいてきました。
そう思ったシーンはフィーが悩んでいるアポロを慮り、自然と近づいて下からアポロを覗き込むという場面です。今までのフィーなら向かいに座っているアポロに近づきもせずに対角線上で言葉を投げかけていたのではないでしょうか?心配すらせずに茶化して軽口の叩き合いになっていたかもしれません。
あの個人に固執しなかったフィーがアポロという対象に心を配っているという確定的なシーンかなと感じました。
その他にも今まで焦らしに焦らされてきた読者に天恵だよと言わんばかりのシーンが多数見受けられました。
この作品は飽き性オブ飽き性の自分が唯一自動新刊購入して、長期的に繰り返し楽しめる作品です。
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