君への助走【おまけ漫画付きコミックシーモア限定版】
」のレビュー

君への助走【おまけ漫画付きコミックシーモア限定版】

野火ノビタ

思春期の複雑さ

ネタバレ
2022年6月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●とても懐かしいお名前!作者さん、かなーーーり前の二次創作されてた頃に拝読していました。本作は2018発行で、“久し振りに描かれたBL”とのことでした。やっぱり好きだなぁ。絵も好きですし、淡白なようでしっとりしてる絶妙な空気感、少しチクリとする心情描写が好きです。
●駈が恋してた女の子は女装した委員長・朔で。それが判明したその日に家に連れて行かれ、女の格好でsexしていいよと…誘われるままに抱いてしまう。朔の「知らない人としたことある」は本当だったんだろうか…?駈を誘うための詭弁?
●駈の進路に対して朔が言う「いつまでも何も選ばないでいられると思うのか」というセリフは、そのまま自身へ向けているようにも聞こえる。朔は単に「女になりたい」というわけではなくて、「本当の自分が何者なのか?」の寄る辺がない。「駈を好き(かもしれない)」という気持ちさえも不安。
●駈の方も、女の姿をしてたから抱けたのか?委員長とあの子は本当に同じ人なのか?今見せているこの表情はまた別人みたい…とぐるぐるしますが、駈みたいな攻は分かりやすくて良いんです。結論は「どんな朔でも気になって仕方ない!」なのです。兄のセクシャリティも影響して朔の糸は複雑に絡まってますが、駈はまっすぐ朔に向かって走ってくれる。
●駈目線で「君への助走」と締められていますが、朔だって走り始めることができたはず。私の文章だとド定番展開みたいですが、作者さんの味が感じられて良かったです。オススメしたい。他にも何作かシーモアで販売されているので、機会を見つけて拝読したいです。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!