シャングリラの鳥Ⅲ【分冊版】
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シャングリラの鳥Ⅲ【分冊版】

座裏屋蘭丸

感極まって涙目で読んだACT12~15

ネタバレ
2022年6月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 【ACT12(第1話)】冒頭のアポロの夢。浅いけれども先の見えない川に足を取られ、しかもそこはジャングルという絶望的な場所。傷ついたアポロの暗中模索の心理なのか、それとも、今まで選択して来なかった「その川を夜通しでもひたすら進むこと」が出口につながるのかもしれない、禁断のルールを破ったことが無意識に一つの希望を見出させている心理なのか。どう捉えるのかは読み手の自由なのかもですが、想像力を掻き立てる3巻オープニング、さすが座裏屋先生…。海に裸で潜るフィーがもう美しい、涙目だったにも関わらず「やたら早かったよな?」のセリフには声上げて笑ってしまった。そしてアポロのみならず私も忘れていた、フィーの専属は期間限定だってこと…いやー…ショック。前夜のアポロの愛撫の感動に浸るのも束の間、ショックを隠せないフィーが不憫でならない。試情夫待合室に向かうアポロが壁から「ソ…」と顔を半分出す時の表情!全然乗り気じゃないってオーラ、ここもツボに入った~(笑)【ACT13(第2話)】「正直ギリギリだ!!」のセリフと大ゴマのアポロの表情にまた笑わされた。そんなにキツイですかっっ(笑)⁉ダグラスのルールは破られるためにあるという発言、そんなダグラスに頼みがあると言うアポロ、フィーのために何か動き出すと予想させるワクワク。そしてフィーの仕事ぶりを見てしまったアポロの心情、嫉妬の様子が胸を抉る!【ACT14】過去に怯えるフィー、客がフィーを乱暴に扱ったと憤るアポロが切なく、激しい雨音が聞こえるような抒情的なスコール描写の中で出くわし、そしてキスを交わす二人…。なんて素敵なシーンなのだろう。【ACT15】神回。二人の気持ちが動き出す。アポロが笑った。フィーに欲情した。フィーが気付いた。手から優しい愛情があふれ出る筆舌に尽くしがたい神回…。
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