このレビューはネタバレを含みます▼
●作者さん買いです。トータル実質39Pで400pt…ちょっと割高ですかね…?でも、めちゃくちゃ良かったです!男の子の恋の始まり。
●蒔だけが知っている蛍児の秘密。雷が鳴ると蛍児はとても怖がって、蒔はいつもそばにいて手を繋ぐ。ある日、蒔のバイト中、蛍児が別の友人たちと一緒にいるときに、雷。それをきっかけに、二人は自分が相手に抱いてる感情に目を向けることになります。
●蛍児は、蒔のこと好きなのかもって気が付いて、こんな気持ち蒔に引かれちゃう…と、蒔に頼らずに雷を克服しようと変に距離を取る。蒔は、蛍児に頼られるからじゃなくて、自分がそうしたいだけなんだって気付く。肩も身体も包んでやりたい。雷が鳴っても、鳴らなくても。
●「頼る・頼られる」の関係に特に意味を持ってなかった二人が、ああ、これって特別な感情なんだ…と自覚していく。二人の心情の繊細な変化が、両面から丁寧に描かれているのが良いなと思いました。
●ギュッと抱き締めるだけでキスもなしですが、二人の間には「君になら触れたい・触れられたい」があるから、ちょっとずつ進んでいくんじゃないかな…と想像してしまいます。とはいえ、読んでいる間はそんな妄想など思い浮かばない。清らかな(?)気持ちで読み終えることのできる素敵な短編でした。