きょうもたのしくいきましょう
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きょうもたのしくいきましょう

平眞ミツナガ

夏木もね…

ネタバレ
2022年6月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 夏木が可哀想で佐野が酷すぎると書いているレビューが多く見受けられてビックリ。
夏木は佐野が好きだったけど、それを言わずに、遊びだと言って佐野との行為を続けていた。夏木は、佐野が自分のそばにいる事が穏便な学生生活に繋がると思っている事を知っていた。空気を読んで立ち回る佐野の性格を把握した上で、断りにくい空気で寝業に持ち込んでいる。佐野は、付き合いたいのかどうか、ちゃんと確認しているが、それに対して、そんな重いものではないと笑ってみせた。
恋愛に目覚めてもいない佐野を手玉に取って、いつか本当の恋愛にしていきたかった夏木だけど、それが仇になって、腹を割って話せる存在の有り難さを佐野が知ってしまい計画が崩れた…ってだけだよね。
可哀想ではあるけど自業自得で佐野と大差ない。佐野は精神年齢がまだ恋愛未満で夏木の気持ちを察するレベルではない。だから許されるわけでもないが、無言の圧をで行為に付き合わせた夏木の方が悪いと感じる。ハラスメントに近い。受ける側が常に被害者とは限らない。
上手に立ち回ろうとした未熟な若者がそれぞれ迷走し不器用さを露呈する。高田も、器用な生き方では無いだろうし。社会に出て苦労しそう。
この作品は、良い恋愛、良い攻め、良い受けを描こうとしたのではなく、色んなタイプの不器用さや未熟さを目指したのかな?と思いました。
ラブではなく友情に置き換えたら、気を遣って仲間に入っていたグループを抜けて、本当の友達とつるみはじめた少年の図だし。
ただ、もう少し佐野の、周りの空気を読みすぎるようになった背景や、夏木のカースト上位者であっても決して気楽では無い孤独感などを表現してもらえたら良かったな。
ストーリーとしては嫌いじゃないけど、漫画なのに文字数が多く感じたので星を減らしました。読みながら、いっそ小説にした方がもっと深く描けたテーマかも…と思いました。
興味深かいストーリーですが、個人的にはときめかないので買うならチョコレートの話の方が好きかな。
どちらも読み放題で楽しませてもらってます。
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