今宵もお待ちしております
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今宵もお待ちしております

北川みゆき

今宵もお待ちしておりましたって言われたい

ネタバレ
2022年6月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 北川みゆき先生の作品です。だいぶ昔に「罪に濡れたふたり」を読んで、私もまだまだ子どもで、どうしてもメインカプ以外のあれこれがまだ理解できなかったんですよね。それでも先が気になって読み続け、絵にもストーリーにも心奪われた少女時代でした笑。だから北川先生って聞くと、どうしても絵の綺麗さと共に出てくるのが重たいストーリーの印象なんです。読み始めたら止まらなくなるの分かってるからなかなか手が出せなかったんですけど、こちらは一話完結ということで購入したところ、ビンゴでした!!

老若男女問わず主人公達は様々な状況の中で、ふとしたきっかけでBarに入り、バーテンダーの更が作ったお酒と彼女の一言によって、新しい一歩を踏み出していくストーリーとなっています。幸せになるはずだったのに壊された者、人生に安定を求める者、昔の恋を忘れられない者、相手の幸せのために愛を手放そうとする者など、等身大の女性や男性が悩みながらも1番自分らしく輝ける決断をしていくのですが、1つ1つの話が切なかったり幸せだったりスカッとしたり、甘酸っぱくて泣けてきます。しかも更さんは多くを語ることなく、その人の想いを汲み取り、お酒で導いていくのが本当に素晴らしい!お酒には詳しくないのですが、深いんだなぁと、まさに人生だなぁと感じました。
この短い話の中に、主人公達の生き様が感じられる希望に満ちたこの作品を読んで、日々の生活とか悲しい出来事さえも未来の自分につながっているのだと、私自身前向きな気持ちになれました。
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