坂の上の魔法使い
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坂の上の魔法使い

明治カナ子

どうしようもない気持ちを

ネタバレ
2022年6月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 王と魔法使いリーがそれぞれに想いあう気持ちが交差しお互いに心が通じ合っていながらもそれぞれが立場や言葉の鎖に阻まれてモドカシク行き止まりになってしまう。リーはただひたすら王の影になり盾になり静かに寄り添っていく。王が結婚が決まり婚礼の前に自分の気持ちに決着をつけようとリーを誘うが言葉の鎖から逃れられないリーは意思に反して魔法で王の婚約者を身代わりにする。そして王を傷付けてしまい、リー自らも心傷つく。。決別をしたものの王が落城前に自分の子供を守ってほしいとリーのもとへ。。。リーが辛すぎる。王も辛いがリーは独りぼっちなのだ。リーの使役は、リーの命令で王を助けに行くがリーが出せなかった正直な心の声をただひたすら叫んでいた。「本当はこんな風に叫び王を守りたかったのね」とぐっとくるものがある。リーが、王の魂に「自分の生まれてきた意味は、王の子を育てる為だったのだ」と言った時、リーが王にできた最後の愛で本当の決別だった。リーがラベルによりかつての縛りが解け自由の身に。様々な愛と別れがあり切なくも愛おしい余韻を残しながら鮮やかに時間が流れていくそんな物語でした。
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