さよなら僕の好きな人
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さよなら僕の好きな人

琢磨

ありそうでなかった設定

ネタバレ
2022年6月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 気になったので購入したのですが、めちゃくちゃよかったですー!!頭髪や全身の色素が真っ白になることからゾンビ症と呼ばれる罹患者が増えていて、その主な原因は失恋のショックからという。主人公の繰田はずっとレイに片想いしていて、記憶障害も伴っているため、元彼としてレイのそばにいようとします。愛する人が去るショックで自分なんかいなくなりたいと思い発症するゾンビ症が、今まであまりなかった設定ですごく興味を引くのと、失恋は大きな痛手だということが身に染みて分かる作品ですね!

繰田は自分と認識されず、元彼の名前を呼ばれながらもレイにとって最善のことを考え行動していくのが切なくもかっこよく、そんな攻のいい男っぷりに惚れ惚れし、元彼のクズっぷりに「ケッ!!」ってなりました笑。だからレイが誰よりも自分を大事にしてくれる人と結ばれて本当に良かったです。意外とエロにも積極的で、読んでいて目が喜びましたし、何よりマスク同士のキッスがエロくて綺麗で何度も見返しています。
ストーリーの展開が非常に上手で、繰田サイドとレイサイドで物語を展開し、少しずつ明かされるゾンビ症の情報と、変わりゆくレイと繰田の関係性がより物語を面白くしています。表面上は変わらないのに、二人が唯一の存在となっていく過程がとても丁寧に描かれていました。
最後のあの素晴らしい絵に、繰田の大きな愛を感じると共に、ゾンビ症のかわいそうなイメージを払拭するような希望に溢れた1ページ!しばらく見入ってただただ感動しました。
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