棺にさよならの花束を
」のレビュー

棺にさよならの花束を

rosca

生死について考えさせる

2022年6月25日
通常、葬儀屋といえば、顧客の葬儀に涙することなく淡々と業務をこなすもの。
また、自死を望む人は、人生が辛く心が沈んで暗いもの。

そこに通常とは違う、とても涙もろい葬儀屋の主人公・久永灯夜と、
自死と生前葬を望む底抜けに明るいちょっとおバカな明星光輝が絡むことで、
逆に生死について考えさせる、思ったより深いお話でした。
(それぞれの名前がキャラを体現していて、ふむふむ)。

生死について考えると言っても、
死にたい明星と死なせたくない久永の対決みたいな構図や、
明星の底抜けに明るい性格も相まって、
暗くならずに考えさせられるのが良いと思いました。
(もちろん辛い描写で考えさせる良い作品もあると思います)。

漫画はいずれも作家さんの考えが反映されるものですが、
特に作家さんの伝えたい何かを感じさせる作品でした。

構成上、ほぼ2人のやり取りで終始しているのがちょっと物足りなく、
★マイナス1しています。

総208ページ(描き下ろし8ページ、カバー下漫画2ページ、
電子限定かきおろし漫画5ページ)。
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